庭師でありながら農家である強み
私は庭師でありながら、農家も兼業しています。
一見すると別々の仕事に思えるかもしれません。
しかし実際には、どちらかの知識がもう一方に深く通じていることがとても多いのです。
庭師と農家の共通点とは何か。 それは、どちらも「土」を扱っているという点です。
農家にとって、土は命そのものです。
おいしい野菜を育てるためには、微生物の数、肥料のバランス、水の分量―― 土の中で起きている目に見えない世界と、日々向き合わなければなりません。
ほんの少し土の状態が変わるだけで、作物の味も育ちも大きく変わる。
だからこそ農家は、誰よりも土に敏感になります。
そしてこの感覚は、野菜に限った話ではありません。
お気に入りの花がなかなか元気にならない。
植えた樹木の成長がどうも思わしくない。
そんなとき、原因は水やりでも日当たりでもなく、足元の「土」にあることが少なくありません。
畑で野菜を育てるのも、庭で花や木を育てるのも、根本は同じです。
植物は土から栄養を吸い上げ、土の状態がそのまま成長に表れます。
農家として日々土と向き合い、土の良し悪しを肌で知っているからこそ、庭の土を見たときにも気づけることがあります。
「この土は少し痩せているな」
「水はけを変えればもっと元気になるはず」
そうした土への目利きは、剪定や植栽といった庭師の仕事にも自然と活きてきます。
枝ぶりだけでなく、まず足元の土に目を向ける。
農家の目を持った庭師として、その視点を大切にしながら、日々お庭と向き合っています。
